銀塩日和

フィルム写真と冒険。そしてSDM生活。

「波よ聞いてくれ」の衝撃

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PENTAX K-01 + smc PENTAX-FA 35mm F2 AL

"止マレ。この漫画はきっと止まらない"

 

どうも、僕です。

いやぁ、本当驚いた。驚いたと書くと残念なくらい陳腐だ、そうだな、、、わかりづらくて非常に恐縮なのだけれど、「穏やかすぎて陰鬱ですらある雨の日曜午前に、側頭部を金属バットで殴られる」ような衝撃を受けた。

 

「波よ聞いてくれ」という漫画に。

 

波よ聞いてくれ(1) (アフタヌーンKC)

波よ聞いてくれ(1) (アフタヌーンKC)

 

 

 

 

僕は漫画はそれほど読むタイプじゃない。

むしろアニメ化されてからの方が得意だったりする。その、物理的に漫画が視界に入るのがなんとなく後ろめたく苦手だ、っていうひどく主観的な理由のせいだと思う。

アニメならば申し訳ないが円盤に投資をしない限りHDの中で光学記録された情報としてしか存在しないので、部屋の端でパッケージが視界に入って罪悪感を覚えることもない。

 

だから最近になって、Kindleを活用できるようになってからは漫画に触れるハードルが下がった。

相も変わらず漫画に詳しくはないのだけれど、「なんとなく」で漫画を買い、開拓することができるようになった。それは自分にとってはたぶん喜ばしいことで、「なんとなく」表紙画像をみて買った漫画の内容に一喜一憂したりするのがそれなりのストレス解消になっていること期待している。

 

だからこの間もそうだ。

 

誰かが酸素濃度を意図的に下げてるんじゃないかってくらい息がし辛い梅雨の日曜。

朝から安アパートの六畳間で不活性な体をいたわっていた僕は、特に意味もなくKindleのストアをスクリーニングしていた。穴だらけで飛ばし飛ばしのスクリーニングの中で、なんで目に留まったのかもわからないのが、この沙村広明さんの「波よ聞いてくれ」だった。

 

たぶん、レビューの星がなんとなく多かったとかその程度な理由で訪れたAmazonの商品ページ。漫画に特別明るくない僕にはこの作者さんが有名なのかどうかもわからない。

が、何も考えずにポチった。

僕にとって電子書籍の漫画を買うっていう行為はそんなレベル。

脊髄がGoと言ったらGoなんだ。

僕の脊髄にだって懐事情を踏まえた上で行動ができる能力は備わっていると僕は願っているけど。。。

 

とにもかくにも、湿気だらけでテンションの全く上がらない梅雨の朝っぱらから勢いだけで買ったよくわからん漫画を読んだわけだ。

 

 

一時間もせずにその作品が面白すぎて思わず家を飛び出して近所を歩き回ってしまったんだけど。

 

 

「波よ聞いてくれ」はラジオの話。きっと。

女性主人公ミナレさんは失恋の悲しみを全力で排泄するために酒場(バル)で40分前に知り合ったおっさんと呑んでいた。呑んでいたっていうより9割愚痴っていた。

それはもうひどい恋愛だったのか、恋人をボロクソに貶し、どう考えてもからみ酒。

その日は酔いつぶれ、ダメ女っぷりを吐き出し切ったあと日常にもどって働いていると、職場で流しているラジオから昨日のからみ酒の愚痴が流れてきて、、、その放送を止めるためにラジオ局に単身乗り込んだ結果、、、っていう。

 

ダメですね、僕にはうまくあらすじを書くことはできません、なので感想とお勧めな理由だけ。

1巻の話の中で1話の衝撃ったらありません。

なんだこれ!?っていう。

 

とにかく話のテンポが良くて、一巻の中で特に気に入っているのは初めの第一話。

まさしくあらすじで書いた所。

流れるような、それでいて本能直結で笑わされる台詞回し

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http://livedoor.blogimg.jp/meokyouhei/imgs/2/9/29e9728a.jpg

なんだこれ。自由すぎるだろ、こんなん笑うわ。結構なページにこんな会話が練りこんであるんだぞ。

本当面倒臭い酔っ払い女(饒舌)を書くのがうまい、っていうかちょっと本格的に魅力的にすら感じる。

 

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なんかアクの少ない「銀魂」だなって感じた。

結構パロディ的な要素が共通してて、それでいてケタケタ笑わせてくれる所とかそっくり。銀魂は「ええええええええええええ」みたいなのがひっじょーにこってりとしていて胃もたれして避けたくなる感じだったんだけどそれと比べたらなんと食べやすいことか。

 

凝った単語とか全く使わず平坦な単語選びで「なに言ってんだコイツ」感を出すというか。この巻の文章のありとあらゆるものが面白い。

 

 

ていうか1話は展開が神がかっていると思うのですよ。

だってテンポ最高ですもん。

饒舌なトークに乗せられてぽんぽんページをめくっているとだんだん登場人物の心の中が吐露されていくようで、それが変に人間じみていて、、、でも話の進む方向としては最高に面白くて、キャラのセリフにだんだん読んでいる僕の心動かされていった結果。。。ミナレさんが最後にしたことは。。。っていう。

 

とにかく読んでいただきたい。

特別サービスでちょっとだけネタバレをしよう。1話の最後のオチだが、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デトロイトメタルシティーみたいなオチだった。(いや、本当)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう、これしか言えない。。。本当。読んでみてください。

自分の文章力と表現力のなさに絶望しますわ。

なれない漫画の感想文とかするもんじゃないとか思いつつ。本当に全力でおすすめしたい。2巻発売されたら多分買います、即買うとおもう、いや買う。

 

あの、差し出がましいですが、お勧めです。

書店で買うなりなんなりしてください。

僕の文章力が向上したらこの記事修正するかもしれません。。。

掛け値なしで損得なしで今の所今年一番のアタリです。

 

波よ聞いてくれ(1)

波よ聞いてくれ(1)

 

 

 

こちらからは以上でーす。

 

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