銀塩日和

フィルム写真と冒険。そしてSDM生活。

NikonなのにNikonじゃない一眼レフを手に入れた。

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どうも、僕です。

僕の趣味になりつつあるジャンクカメラ直し。たまにそんなジャンクどこから拾ってくるの?なんて質問されるのですが、だいたいその辺歩いているときにジャンクカゴを物色するか、「ジャンク数台まとめ」みたいな500円くらいのガラクタが詰まった段ボールを買って、家に帰ってから吟味するとかそんな感じです。書いてみて思いますが、ものすごく偶然性が高いですね。

 

そうやって手に入れた古いカメラ、最近のアタリだとASAHI PENTAX SPFとかPENTAX ME Superなんかでしょうか。大きなダメージもなく、清掃とメンテナンスくらいで復活した可愛い奴らです。僕の普段使うKマウント(M42マウント)とも互換性が高いので早速活用し始めてます。

 

こんな感じでペンタックス感の強い僕のカメラたちですが、珍しくペンタックスでないカメラがガラクタ段ボールの中から現れました。Nikonのカメラです。

(尚、次点で好きなのはミノルタ。今TC-1が気になっている。)

 

さて、Nikon。どんなメーカーでどんなイメージでしょうか。

戦中から日本の光学技術の最先端で活躍しているメーカーで、現在のデジタルカメラのトップ2。その名前を知らない人はいないでしょう。

digicame-info.com

頑丈で頑固なものづくりをするメーカーで、作られた商品は高級・質実剛健。僕のお父さん世代では本当に憧れの逸品だったらしいです。ボディに刻まれた「Nikon」にはそんな感じの憧れの視線が集まるのですね。ちなみにですが、僕が会社に勤め始めたころ、初めての賞与が出たし親父が欲しいと言っていた一眼レフ買ってあげるよ、と声をかけると「Nikonがいい」と言い始めたので、やっぱり憧れっていうのは色褪せないものなんだなぁとしみじみ思ったものです。無視してPENTAXのK-30を送りつけてやりました。後悔はしていない。

 

とにかくまぁ、人々の憧れの実力の伴った一流ブランドってことです。

 

Nikonと書いてないカメラ

さて、今回拾ったカメラがコレ。

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長いレンズは別で付いてきたもの。短いレンズには「Nikon」の文字。まぁNikonのカメラなんでしょう。でもペンタ部には「Nikon」の文字はないです。

 

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「Nikomat」。。。ニコマートと読むらしいです。なんだろ、すこし名前に柔らかさを感じますねw 

 

ふむ、どうやらフィルム時代のフラグシップニコンFシリーズとは違う、ミドルクラスの一眼レフみたいですね。汎用部品の採用数を多くして、かつ露出計を内蔵させたモデルとのこと。なんとなく頑固一鉄なニコンFよりもだいぶ親しみやすい作りにしてあるようです。

ニコマートシリーズ

OEM供給を試みたニコレックスシリーズの失敗をふまえて開発されたニコンFマウント廉価版一眼レフカメラ。ニコマートELの電子シャッター等ニコンFシリーズに先立って新しい機能を投入されることもあった。コパル製縦走りシャッター等汎用部品を使ってコストダウンしつつもニコン基準の品質を守るため開発製造はニコンで行われている。

先進技術や評価の定まっていない新機能を中級機で採用し、その技術・機能が確立した上でフラッグシップ機に採用するというニコンのカメラ造りの伝統はニコマートシリーズに端を発する。

機械式シャッターを備えたニコマートFT系と、電子シャッター・絞り優先AEを備えたニコマートEL系がある。ニコマートFT系はニコン一眼レフカメラで唯一レンズマウント周囲に設置されたリングでシャッター速度を調節する独特の操作方式を持つ。同様の方式は後のオリンパスOMシリーズも採用している。

倒産したコンビニエンスストアチェーン「ニコマート」とは何の関係もなくスペルも違う。なお輸出モデルはニッコールマート(: Nikkormat )という名前で販売された。

 

Nikon」の名前をかかげられなかったのはニコンFとの差別化のため?

 

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これがボディ正面。なお、クリーニングもメンテナンスもまだなので、そこそこ汚いです。

他のボディと比較を撮っていないですが、結構大きくて重いです。普段MXで慣れている僕にはちょっと違和感がありすぎるくらい。でも、全体的な質感はすごく良く、これがミドルクラスだなんて豪華すぎるんじゃないかなw

 

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結構意外だったのは、ボディが軽く汚れている意外はほぼ完動品だったこと。モルト劣化も少ないですし、ファインダーも綺麗です。シャッターも全速切れているようでした。これだったらオーバーホールもいらないかもしれません。

 

そして特徴的なのがこの軍幹部とマウント部。

 

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すっきりしてますね。機械式カメラにつきもののダイヤルの類がほぼない。それもそのはず、汎用部品として採用したコパル製シャッターの関係で、ダイヤル類は全てマウント部に集約されているからです。

 

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レンズ側には絞りリングがあるので、レンズを付けた状態では「絞り」「シャッタースピード」をこのマウント周辺で回して調整することになるのですね。上の写真でマウントから伸びている棒は絞りの値をボディに伝えるためのものだそう。この時代はマウント外で絞りの情報を伝えるようにしていたのですね。面白い。

 

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そしてこちらが背面。ようやくここに「Nikon」の文字が。なんて控えめな位置にかいてあるんでしょう笑 「お前のような子がうちの名前を名乗るなんて」みたいな感じでしょうかw

 

というかフィルム室も綺麗ですね。これがジャンク箱から出てくるなんて。

 

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こいつが、このカメラの一番の特徴のコパル製シャッター。コパルスクエアSシャッターというらしい。縦走り式金属製フォーカルプレーンシャッターで、コパルのこれは現在のレンズ交換式カメラの同方式シャッターの源流に限りなく近いシャッターだそうです。

 

というか、シャッターを調べていると色々楽しくて、これを続けると長くなりそうなのでやめておきましょう。

 

Nikkor-S Auto 1:1.4 f=50mm

さて、短い方のレンズがこちら。これもジャンクだけど、別のルートで手に入れたもの。

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NIKKOR-SのSはSeptのS、つまり7枚のレンズから出来ているってことらしい。光学系の構成については知識がないので正直よくわからないのだけど、この50mm F1.4ってスペックは大好きだ。KマウントだとSMC PENTAX-FA 50mm F1.4が同じスペックかな。このFAレンズは本当に大好きなレンズで、デジタルでもフィルムでもどこにでも持って行くくらい重宝している。このNIKKORもそういう活躍をしてくれるのかな。

 

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レンズは古いものらしく、レンズ銘にはこちらも「Nikon」でなく「Nippon Kougaku」の文字が。いいですね、そそられますね。

 

こいつがジャンクだった理由は二つ。一つは前玉裏のカビ。

 

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端っこだから多分そんなに影響はないんだろうけど、そこそこ目立つカビの発生がある。前玉だから多分除去も簡単だろうと思うので、バラしてお掃除しようと思います。レンズにカビ跡が残っていないといいのだけど。

 

そしてもう一点は外観の汚さ。銀のパーツには緑青?のような緑色の汚れ。

 

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あとヘリコイドがなんか硬い。グリスアップも必要かな。ということでなかなか質のいいレンズではございませんでした。その分安かったからいいのですが。

 

王道でないものに愛着はわく

 

なんだかこの親の名前をもらえなかったみたいなカメラが愛らしくなってきました。そもそも露出計が動けばMXやSPFと同じように使えますしね。なにより王道でない感じが非常によいです。

レンズの方がちょっと難儀しそうですが、直して実際に使ってみようと思います。そうしたらまたなんか撮った写真とかをあげてみようかな。

 

そんなモテない趣味をやっています。

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