銀塩日和

フィルム写真と冒険。そしてSDM生活。

蘇れ、使えなくなったモノ!拾ったフィルムカメラCONTAX 139 quartzで写真を撮ったら意外と良かった。

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※拾ったフィルムカメラで撮っています。
 
どうも、僕です。
 
突然で恐縮だけど、皆さんの身の回りには使えなくなったモノって転がっていないだろうか。
壊れたイスとか、むかしのPCとかいろいろあると思う。僕はといえば、つい先日も酔っ払って転んでズボンに穴を開けて使えなくしてしまった。さよならズボン。
他の使わなくなってしまったモノのことを思い出しても、壊れたり、古くなったり、もっと良いものが登場していらなくなったり...こんな風に、使われなくなった理由は多分色々ある。そんな使えなくなってしまったモノが今現役として蘇って、しかも改めて使ってみたら意外といいね、みたいになったらなんか面白くないだろうか。
 
 

 

今回の主役は、、、このフィルムカメラだ。
 

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このブログで再三書いてきているが、僕はジャンクカメラをいじくるのが趣味なのです。
今は安くたって昔は高級品だったカメラだ、開発費を潤沢に使った時代のエンジニアのこだわりを肌で感じられるのが楽しくていいじゃないか。
 
事の発端はジャンク品のカゴの中で眠っていたこのカメラを拾ってきたことから始まる。ボディに刻まれているCONTAXというブランド銘が一流のブランドだったことは何とな~く知っていたので、お持ち帰りを決めるまで時間はかからなかった。
ボディのみジャンクで250円。世間ではカメラ沼、レンズ沼なんていうが罪の意識は非常に軽い。(たぶんコレがいけない)
 
家に持ち帰って簡単にチェック、いくつかの点に手を入れて使える状態にしてみた。経緯はこちらをご覧いただきたい。

 

ino-null.hatenablog.com

 

ino-null.hatenablog.com

 

今回は、この前使えるようにしたCONTAX 139 quartzというフィルムカメラで撮影した写真が上がってきたので、このカメラの個性に触れながらその写真を載せていきたい。

 

 

 設定に悩むんじゃねぇ、被写体に集中!

 

このCONTAX 139 quartz というカメラ、似たようなスペックの一般的なマニュアルフォーカス一眼レフと比べるといくつか他のメーカーにない特徴がある。
 
一つは軍艦部ダイヤルの配置。「なんだ、たかが配置だろ」なんて思うかも知れないのだけど、普段使いする人間からしたらどこに何が付いているかはとても大事だ。
一眼レフは左手でレンズを、右手でシャッター部分のボディを握るので、左右両肩のダイヤルは右の方が多く触ることになる。CONTAXのカメラはここのダイヤル機能が普通とは違うのだ。
一般的なマニュアル一眼レフはここにシャッタースピードダイヤルやモードダイヤルなんかが付いていることが多く、いろんなモードをガチガチ組み替えて撮ることになる。
しかしコイツには露出補正、つまり明るさ調整のダイヤルが付いているのだ。CONTAXからのメッセージとしては「モードはガシガシ変えるんじゃねぇ、そんなことより撮ることに集中しなさいよ」ってことだろうか。なんて頑固な。
 
全部僕の想像だが、おかげさまで変に設定に気をとられずに被写体の明るさとボケ具合だけに集中してサクサク写真が撮れた。
 

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ずいぶん前から食べたかった串かつ田中のポテサラ(自分で混ぜる式)もばっちり撮れた。ファインダー越しにこのポテサラを一旦我慢した僕を褒め称えて欲しい。

 

 

暗い所だって大丈夫!手振れに強いのよ

 

そして、もう一個の特徴がシャッターボタンだ。「何言ってんだめんどくせぇなコイツ」って感じだろうけど、ふーん位のスタンスでもうちょっと辛抱してもらいたい。
あまり想像は付かないかも知れないが、シャッターを切る瞬間というのはものすごくブレる。手振れする。暗い中でシャッタースピードを遅くせざるを得ない場面なんかだとものすごくブレる。
普段使っているフィルム一眼レフだと手持ちの撮影だと1/30秒くらいが僕のブレない限界だ。これ以上遅い速度だともうムリ。これはシャッターボタンを押すときに力むから仕方ない。だってボタンを押し込むんだからそのときにブレちゃうのは仕方ないでしょうよ。
でもこのCONTAX139quartzは違う。シャッターボタンのストロークがものすごく短い。言い過ぎかもしれないけど、指で触ればシャッターが切れる。タッチシャッターというやつだ。ボタンを押すのに力なんて要らないし、姿勢も崩さなくて良い。ポンって触ればいいだけだし、姿勢も崩れないから、全然ブレない。
うん、これは良い。いつもは撮らない暗いところでパシャパシャやってやったが、全然ブレない。ISO100の低感度なフィルムを使っているのに、だ。

 

 

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この写真を吐き出しているのは装着しているPENTAXのTakumarレンズなので、 もちろんCONTAXの写りとは違うだろう。純正のレンズはやっぱり高いですもの。

 

現在の主流のデジタルカメラと比べてどうだろう。不便な部分もある、というかむしろ不便な部分の方が多いが、それでも出てくる写真はデジタルと比べても十分素敵じゃないだろうか。最新技術を集めたデジカメと、僕が拾ってきたジャンクが張り合えているのだとしたらちょっとそれはゾクゾクしないだろうか。昔の道具で遊ぶのはこれだからやめられない。

 

 

昔の道具を使う人、増えてます。

 

それにしても、ここのところ僕の観測範囲内でCONTAXフィルムカメラを手にする人が増えてきた。素敵。だって魅力でいっぱいなのだ。コンタックスという名前には歴史があって、頑固すぎる哲学があって(それゆえたまに面倒で)、でもそれだけでなくその名前でチャレンジングな商品を出していたのだから僕も大好きだ。
 

 

物欲の春だしね。

 

restructure.hatenablog.com

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素敵なモノにはそれが世に出るまでの素敵なストーリーがあるし、そこに作り手の思いがこれでもかと乗っている。それは時代の経過によって薄れていくものじゃない。だから、たまにこうやって使えなくなったモノに触れると、その思いをまた感じられたりして非常に楽しい。味わい深いと言っても良い。モノとそれに関係する思い、が僕は好きなのかもしれない。
 
 
 
そういえばちょっと前に「おじいちゃんのカメラ」を貰ったまま使っていなかった。これも立派な使わなくなったモノだ。
「おじいちゃんのカメラ」というテーマで今度記事を書いてみようか。
同じようにおじいちゃんからカメラを譲り受けた人が居たら是非書いて欲しい。きっとおじいちゃんの思いが感じられて楽しいから。
 
 
こちらからは以上でーす!