銀塩日和

フィルム写真と冒険。そしてSDM生活。

比較記事が教えてくれない、一眼レフK-S1の楽しみ方

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K-S1という微妙な評価のカメラがある。こいつを楽しんでほしい。
 
どうも、僕です。
そろそろ梅雨の気配も出てきた頃。某ブログ書いたり編集やったりしている人に、「取材の幅が広がったのでカメラのレンズをオススメしてくれ」と依頼をされた。その人には以前に、「取材用ミラーレスカメラ」「マクロレンズ」などをオススメさせてもらったことがある。*1
所詮僕は素人なので、チョイスの品質については多少目をつぶってもらってはいるんだろうけど、なかなか満足してもらえたみたいで非常にうれしかった。
(自分の物欲はただ自分の身を滅ぼすだけではなく、人を沼に落とすのに人のために役に立つのだと思った。。。)
 
なので、今回の「取材用の新しいレンズ」というお願いも喜んでやらせてもらった。だって楽しいから。流石に何度も遊んでいる中なので、使う人がどういう人となりで、どういうものを撮りたいか、ひいてはどういう記事を作りたいかは何となく想像がつく。使い手のことや、やりたいことが何となく分かれば、今ならコレが合うんじゃないかとか、将来的にはこういう風にステップアップしたがるかも知れないからコッチ方面に投資しておいたほうがいいんじゃないか、とかモノを触りながら色々と考えるのが楽しい。
一応オススメはし終わったので、また楽しんで便利に使ってくれたらいいなぁと思う。
 
 

スペックだけのオススメ記事にもやもや

さて、今回の件でも実感したのだけど、やっぱり人に好きなものをオススメするのは楽しいし、実際に触ったものをオススメできるほうが楽しくていい。オススメした結果そのモノに愛着を持って使ってくれるともっとうれしい。もちろんそれだけでなく、もう一歩外からそういうオススメ情報を眺めるのもだいぶ好きだったりする。もっといろんなものの感触についてオススメ情報が飛び交えばいいのに。
...と思うんだけど、世の中にあふれているオススメ〇〇選!って記事は、なかなか僕の業に寄り添ってくれなくてもやもやする。
 
そもそもだ、極一部のガジェッターの方がたまにやる、「スペック比較をまとめました」って感じのカメラオススメ記事ってあまり好きじゃない。愛を感じない。業を持っていない。(もちろん本当にごく一部ですよ)
各メーカーがそれぞれ各社で測定した数字を横並びにするんじゃなくて、もっと使用者の欲望と官能に訴えるようなオススメ記事を書いてはくれないものか、これじゃあその記事を見て買った初心者の方々がハッピーにならないんじゃないか等々、普段メーカーで働いている分だけ一層面倒な気持ちを感じていたのだった。まぁそういうのを誰にでも分かる形に出来ていないメーカーが悪いっちゃ悪いのだけど。
 
書くにしても高級フラグシップ機はまぁいい。だって知識がある人が買うでしょう、どうせ。そういう人たちは「何のために買うか」なんていくつも明確な目的を持っているだろうし、とにかく高い買い物だもの。どうせ引き返せない。
でもエントリー機は「わかんないけどちょっとやってみたいんだよねぇ」って人が買うでしょうよ、きっと。そんな人たちに数字だけで誤解させたままモノを買わせて、誤解したまま「なんか違った」って言って離れていってしまったらそれは淋しいと思うのだ。もっと初心者がどうしたら楽しくなれるかをオススメしてくれよ。
 

スペックに現れないカメラK-S1

何でこんなことを思ったのかというと、愛用しているエントリー一眼レフのK-S1なるカメラの価格が(おそらく)底値になってしまったからだ。もう市場価格がぼろぼろになって切なくなってしまった。ああ、いいカメラなんだけどなぁ、なんて。
 
とにかくこのカメラ、世間で評価されていない。親の敵なんじゃないのって位評価されていない。(ぶっちゃけそんなところも大好きなのだけど)
なんでこんなにも評価されていないんだろう。。。
そんな切なさが極まってしまったので、このカメラを手にした初心者の方が最大限このカメラを楽しめる方法を考えてみた。
 

IMGP0920

 こんなのが撮れると楽しくならないだろうか?

 

『比較、オススメ〇選!』が教えてくれないエントリー機K-S1の楽しみ方

このカメラをカンタンに楽しむために、抑えておくポイントはそんなに多くない。たった二つのことを抑えれば知識がなくても、オートにしたままでも結構楽しい。
 
1. キットレンズは使うな
K-S1までのカメラについているキットレンズの悪評は正直凄まじい。エントリークラスでブランドの価値を下げているのはだいたいこのレンズのせいだと言っていい。だってオートフォーカスはうるさいわ、遅いわだし、サイズも大きいわ、画質はイマイチだわでもういいところがないと思う。まぁ2008年発売のレンズだし仕方がないのだけど、わざわざこのレンズを使う意味はないんじゃないだろうか。ボディ性能はかなりいいのに、このレンズが足を引っ張っているのは間違いない。そう、ボディ性能はかなりいいのだ。だから、コスパのいいほかのレンズを一緒に買えばいい。
 
ズームがどうしても欲しいなら最新のキットレンズに近いレンズがある。一時期買おうと思って店頭でずっと触り倒していたが、フォーカスも静かでスムーズな感じ。
PENTAX 標準ズームレンズ HD PENTAX-DA18-50mm 4-5.6 DC WR RE 21357

PENTAX 標準ズームレンズ HD PENTAX-DA18-50mm 4-5.6 DC WR RE 21357

 

 (買わなかったのは別のカメラを買ってお金がなくなってしまったから)

 
ズームがいらなくて、そこそこの画質が欲しいなら僕の使ったことのあるレンズでは通称ビスケットレンズ、40mm単焦点がいい。安い、軽い、薄い、画質そこそこで気に入っている。1.5万円くらいで買えるペンタックスのレンズのなかでは文句なしに一番オススメだ(ズームいらない人にはね)。 撮った写真はすっきりはっきりで非常に気持ちがいい。

 

 

IMGP0028

 この組み合わせで前にこんな写真を撮った。

 

K-S1というカメラは一眼レフなのにめちゃくちゃ小さいので、この小ささが活かせるレンズをつけるのがオススメだ。レンズがどれだけ小さくったって、手振れ補正はボディに入っているのだから、軽いレンズ、新しめのレンズならK-S1の実力を遺憾なく発揮できるはず。

 
 
2. とにかく手に持ってファインダーを覗こう。
 気に入ったレンズをつけたらとにかく持ち出そう。一眼レフとしてはとにかく小さいのだから、その小ささを生かすべきだ。僕は散歩中に使うときはいつも手にストラップを巻きつけて手に持って歩いている。なんで常に持っていてほしいかというと、気になるものがあったらとにかくファインダーを直接覗いてほしいからだ。
K-S1はファインダーがいい。上のクラスで使われているファインダーがほぼそのまま乗っているので、エントリークラスの一眼レフの中では一番ファインダーがいいと言ってよいと思う。変に暗かったりしないので、覗いた瞬間「あ、撮りたいかも」なんて思うことがあったりする。そういえば、僕もそのファインダーに撮らされた写真もあるもの。
 

IMGP0151

 なんでもないものをカメラを通して見たくなる。

 
普通のデジカメみたいに、ライブビューで背面液晶を見ながら撮影するのはあんまり楽しくない。それよりも覗いたほうがいい。上質なガラスでできた気持ちいい覗き穴だからきっと写真を撮りたくなる。
 
 

 K-S1で楽しめるかな?

 

どうだろうか。もしかしたら異論がいっぱい出てくるかもしれない。まぁそんなときは素人のユーザーがなんかくだらないこと書いてるな、くらいで鼻で笑ってほしい。

ただ、こんな感じで、軽いくて小さいレンズをつけて、とにかく除きまくれば写真を撮るのが楽しくなるのがK-S1というカメラだと思うのだ。メーカーのwebページに載っている数字を他社と比較して楽しむカメラじゃない。手に持つこと、覗くこと、そんな感覚的な楽しさを味わってほしい。

 

IMGP1482

 どこでも覗いて触って楽しい。

 
もしスペックだけを見て迷っている人がいたら是非届いてほしいと思う。*2

*1:※尚、ペンタックスではない。これ重要。

*2:エントリークラスだとスペックも負けていないのだけど。