人生初の海外旅行!台湾に中判フィルムカメラをぶら下げて一人で行ってきた。
どうも、僕です。
2015年の年末のこと。定時も終わった頃の職場で仕事をカタカタと片付けながら、上司と軽い雑談をしていた。
上司「あのさ、来年海外出張あるから。準備しといて」
僕「あ〜、僕パスポート持ってないですよ?」
上司「どういうこと?」
僕「いや、僕海外行ったことないですもん」
上司「え、、、一度も?」
僕「はい、、、一度も。」
上司「自分の職種言ってみ」
僕「海外マーケティングですね、メーカーの」
上司「海外経験は?」
僕「皆無ですね。」
上司「...無茶じゃない?色々」
僕「そうですね、無茶だと思ってました笑」
上司「あの〜、お願いだから海外に遊びに行ってみてくれない?」
そういうわけで、有給をとって一人で人生初の海外旅行に行ってみることにした。初めての海外旅行に選んだ国は「台湾」。4日前でもなんとか安い航空券がとれたことと、初めての海外一人旅にとってハードルが低そうに思えたことが決め手だった。出発の数日前にネットで台湾のことを調べてみると、千と千尋の神隠しの舞台のような趣のある風景や、どこか東南アジアの途上国を思わせる市場の姿、そして工業国として発展した都市の街並みの写真がずらりと並んでいた。うん、これはいい。言葉もほとんど通じない国で一人、ぶらぶら気ままに旅をしながらフィルムカメラでストリートスナップと洒落込もうじゃないか。そう思い、Ricoh GR10とPENTAX 6×7を持ち出した。
台湾一人旅。ぶらり台北を歩く
"偶然にも"出発の日はクリスマスイブ。世の男女が浮かれに浮かれ、純朴な少年少女がプレゼントに思いをはせる頃、そんな浮世の空気に当てられないように日本をそっと脱出することにしたのだ。...いや、ホント逃げられて良かった。
桃園空港へ降り立ってから、バスと電車を乗り継いで向かったのは中山區。記念すべき海外旅行1日目は宿のある台北〜地下鉄中山駅の周辺をスナップすることにする。
表通りは華やかで、どこか東京の街並みを思わせるほど活気がある。ところが一歩路地へ入るとディープな台湾の路地風景が顔を出す(上写真)。どちらかというと美味しそうな飲食店や、魅力的なお茶屋さんはこちらの方が多い印象。成田を出て数時間でこんなにも風景が変わるのだろうか。初めての自分にはそれが面白い。
街中をぶらついて、普段見ない風景のものを見ていくにつれ、だんだんと面白くなってきた。このまま歩いて有名な中正記念堂へ行ってみよう。
迫力と見どころがいっぱいの中正記念堂
台北駅から徒歩10分程度(実際は色々なところを回って行ったので30分かかった)で中正記念堂に到着した。ここは「蒋介石」の死に哀悼の意を込めて建てられた記念の広場だ。行ってみてびっくりしたけど想像の3倍ほど広かった。この日は残念な天気だったけれど、晴れた日には青い空と白い広場が合わさってすごく綺麗な風景になるらしい。らしいというのはネットでしか見たことがないから笑。それでも曇り空の下たくさんの人が観光に集まっていた。
上の写真に写る本堂が大きいのはもちろん、その他に並び建つホールなんかも全部大きい。。。人が...ゴミのよ...うん...笑
それにしても迫力のある建物は撮っていて楽しいなぁ。広場には僕以外にも一眼レフを構えた観光客がたくさん。わかる、わかるよ、ファインダー覗くと楽しいもんここ。建物や広場の迫力を楽しむのはもちろんのこと、写真撮影スポットとしても是非とも訪れてもらいたい場所だ。
散々写真を撮って楽しんだ後は宿に戻ろう。有名な地下道をぶらぶらしつつ、夜の街のグルメを味わいながらひたすら歩き、歩き疲れた結果宿に着いたら即寝てしまった。
港町基隆から山の街九份へ
二日目の昼。僕は基隆という港町にいた。完全に想定外だった。
有名スポットの九份に向かう途中に反対側のバスへ乗ってしまい、あまつさえバスの中で爆睡。終点で起きて「謝謝!」と挨拶しバスを降りた時、一番初めに見た風景は、全く訪れる予定がなかった街の風景だった。正直完全に焦っていた。どこだここは。
"Keelung"と書いてある。。。助けてGoogle先生。
こんな時、Google先生は本当に頼りになる。知識ゼロの国で大いなる知識を迷える子羊に授けてくださるのだから。...結局「Keelung 九份 行き方」で検索しました。ありがとうインターネット。
なんとか本来の目的地への行き方がわかったところで、バスに乗り、九份を目指す。
それにしても台湾のバスは運転が荒い。ひたすら山道だったからかもしれないけど、目的地が近づくにつれ左右に揺れる揺れる。ただ運転手のおじさんは最高に愛想が良かったです。楽しいおじさんでした。
そんなバスの旅を楽しんでいるとあっと言う間に九份に到着した。
もはや説明不要!九份はどこを撮っても楽しい!
九份に到着したら早速有名な九份老街(古い町並み)をぶらぶらしよう。この九份老街はあの千と千尋の神隠しの屋台街の元になったと言われる茶屋があるという噂で一時期盛り上がった場所だ。(なお、ジブリ側は完全に否定) ただ、どちらにせよそんな噂で盛り上がるほど、映画の中の雰囲気に近いところということだ。これは写真を撮り歩くのも楽しいのだろう。中判サイズの大きなPENTAX 6×7を抱えて商店街?の中へ入っていった。正直、カメラを抱えて入り口に立つだけでワクワクだ。
提灯がそこかしこにぶら下がり、柔らかい光が点々と道を照らす。石畳の道は観光客でいっぱいに埋まり、地面は全く見えない。お店を覗く人々の顔が、店頭の明かりと提灯の優しい灯りで赤く火照ったように明るくなる。写真を撮るのが楽しい。
ゲストハウスの出会いと最終日
老街のお店がほとんど閉まってしまうまで、ずっとそのあたりを歩きまわってシャッターを切り続けていた。人影もまばらになり、老街自体が静かになってきたあたりで、ようやくこの日の宿に向かうことにした。遅くまで写真を撮って満喫したかったので、そこそこ早い時間に終わるバスで台北に戻るという選択肢はなかった。そう、この日は九份に宿をとったのだ。
この晩、同じくゲストハウスに宿泊していた台湾人の青年3人と偶然仲良くなった。お互いたどたどしい英語で意思疎通をして、あとは身振り手振りでカバー。
最終日、空港へ向う途中。前日友達になった3人に手を引かれ、台北市内を再度観光した。彼らには美味しい台湾らーめんのお店に連れて行ってもらったり、空港までの道のりを教えてもらったりした。出会って1日経っていないのに、お互いをあだ名で呼び合ってジョークまで飛ばし合える。こんなにも気がイイ人たちと知り合えたのは本当にラッキーだったのかもしれない。
できればもう一晩くらい彼らと飲み明かしたかったが、時間が迫っていることもあって空港まで送ってもらい、泣く泣くバイバイした。今度彼らが日本に来る時には案内するよ、と約束をして。
余裕を持って空港に到着し、ゆっくりと帰国した。成田に降り立って日本語の看板を見た瞬間、ああこれで僕の初めての旅は終わったんだなぁという実感が湧いてくる。初めての海外一人旅、なかなか自由気ままに面白いものが見れてやっぱり楽しかった。
実際に自分で見たものをフィルム写真という形で少しだけ丁寧に画に残す、という楽しみはなかなか他の体験には代えがたいと思えた。フィルムカメラをぶら下げての海外一人旅は病みつきになってしまいそうだ、是非ともまたやってみたい。
というか気になっている人がいたら是非ともやってみてほしい。楽しいから。
[今回使用したフィルム]
FUJIFILM カラーネガフイルム(プロフェッショナル用) フジカラー PRO400H ブローニー 12枚 5本 120 PRO400H EP NP 12EX 5
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Kodak カラーネガティブフィルム プロフェッショナル用 35mm ポートラ160 36枚 5本パック 6031959
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自分の写真の原点は旅のスナップ