銀塩日和

フィルム写真と冒険。そしてSDM生活。

白兎に託す僕らの原点。森美術館「宇宙と芸術展」に行ってきた。

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どうも、僕です。

 気がつけばクリスマスもあっという間に過ぎ、2016年の終わりがどんどん近づいている感じですね。僕はというと、相変わらず学校で勉強したり、会社でわらわらとお仕事をしたりと何も変わらない毎日を送っています。思えば10月に入ってからの生活はずっとこんな感じでした。お仕事も軽く燃え上がったりし始め、昼間の時間が忙しくなってきたかと思えば、学校の方もEDGEと呼ばれるプロジェクトが盛り上がってきたりで、ありがたいことにずっと手と頭を動かしていられる3ヶ月だったように思います。

 

KEIO EDGE | SDM - Graduate School of System Design and Management, Keio University

 

 そういえばEDGEのプロジェクトワークやレクチャーの中では、"EDGE Social Night"と称して行われるピザパーティに都度ゲストがいらっしゃって、かなりカジュアルにお話しを聞くことができる機会がありました。毎回刺激的なゲストが来られて、同じテーブルでビール飲んでピザをつつきながら、ご自身が今携われていることや、将来の夢のようなこと、そして、それらを実行するために今どのようなことを正直思っているかなどなど、本当にいろんなお話しを聞いたりしつもんしたり。印象的なお話しを挙げるとキリが無いですが、ワンダープラネット石川さんのなんだこれ?って位の人をひきつける働き方の話などは本当におもしろく、アジア中から集まった留学生と一緒に「Oh...Crazy...」なんてリアクションをしてしまったり、HAKUTOチームとしてGoogle linar xprizeに挑むiSpaceの袴田さんの将来の夢の話は、自然と口角が上がり心が躍りました。

 

www.youtube.com

 

 そういう外部刺激の塊みたいな出会いをしたときって無条件に「じゃあ自分は?」と、ついつい自分の胸に手を当ててしまいます。自分は何ものでもないけれど、目の前にいる人に対して自分は何が語れるの?何を考えて何を目指しているの?と。普段の日常を生きるだけなら全く必要の無いことかも知れないのですが、自分にエンジンをすえつけて前に進むためにはきっと必要な"それ"を急に意識するのです。自分の周りを見回すと、大人になるにつれてそういうのを語るのが得意な人が出てくるようにも思います。「自分は〇〇がしたい」「それは△△だからだ」「だから□□を日々やっている」・・・なんて具合に。

 

というか、僕がそれです。

 

それで良いと思っていました。それで就職もできました。筋道立てて話しをして、途中に挙げる例は妥当なもので、それなりに共感もしてもらえる、、、そんなことを喋れる様に自分の中に理由を用意することで、大人としてきちんと自分のモチベーションを維持しようとしたのかも知れません。少なくとも、このEDGEプロジェクトを始めて、袴田さんとお話しをするまではそれで良いと思っていました。

 

それがガラッと変わったのは、2度目のピザパーティでのこと。そのパーティの中で袴田さんにインドの留学生がある質問をしました。

 

留学生「そこまでして月を目指す貴方のモチベーションはなんですか?」

 

袴田さん「Starwars
 

みんな「......それだけ?」

 

本当に、僕も含めみんなの反応は「え?それだけなの?もっと高尚な何かがあるんじゃないの?」って感じでした。でも、彼の顔をみると真剣そのもの。どうやら本当にそれしかないらしいのです。ああ、本当にそれだけでこの人は月を目指しているんだ、子供の頃に見たスターウォーズの光景を実現するためだけにベンチャーで宇宙に進出しようとしているんだ。この事実が本当に衝撃でした。目の前にいる人は、子供のように目を輝かせながらそのワクワクだけでその辺の大人には到底できないところまで走ってしまっているのです。この質疑応答を間近で見ていた僕は、ふと自分のモチベーションが後から理論武装した装飾でいっぱいになって身動きが取れなくなっていることに気づきました。ああ、いいんだ。シンプルでいいんだ。子供みたいな初期衝動で大人の世界に殴り込みをかけていいんだなぁって。なんか憑き物がとれたような気分になりました。

 

すごく、端から聞くとそれだけの体験だったのですが、僕にとっては大きな転換点でした。僕の中でなんとなく押し込めていた原点のような思いを少しずつ言葉にしていくことをしていこうと。そう思うくらいに。

 

 

そんな自分の中で大きな出会いがあったHAKUTOのローバーが展示されているということで、少し時間を作って森美術展の「宇宙と芸術展」に行ってきました。

 

www.mori.art.museum

展示の内容は、はるか昔から宇宙は人の中でどのように捉えられていたのかを示す芸術作品から、現在の宇宙開発の様子を示す展示、そして未来はどうなるんだろうを表現したようなチームラボのインスタレーションと盛りだくさん。21時という遅い時間から見に行ったこともあって、人は少なく静かに楽しむことができました。

 

撮影可能な展示も多かったのですが、このときたまたまレンズを一本しか持っておらず、しかもそれがFA77mm limited。。。焦点距離が長すぎてギャラリーのような室内で展示全体を写したりなんて出来るはずもありません。正直写真を撮るのはめちゃくちゃ苦労しました笑

 

 

 

 

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歴史を追体験していくように並んでいる展示物を体験していくと、最後にHAKUTOの月面ローバーが現れます。これがスターウォーズにワクワクした子供の心が作ったモノか。。。なんだかじわじわとワクワクしてきます。

 

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袴田さんはローバーに予備はなく、1台しかないとおっしゃっていたので、これがモックアップでないとしたら実際に月へ飛ばすマシンそのものを見られたことになります。このローバーが月へ行き、xpriseのミッションに成功できたら、あのときの転換点をもっと強く信じられる、そんな気がして仕方ありません。

普段目の前のことでいっぱいいっぱいになっているとなかなか足を伸ばせないのですが、たまにこういう機会を作ると感覚がビンビンに広がって楽しいですね。

 

こちらからは以上でーす!