銀塩日和

フィルム写真と冒険。そしてSDM生活。

ゆとりが原付で日本縦断をした4日目。大冒険らしくなってきた!日勝峠×帯広で豚丼×池田の温泉

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どうも、僕です。

2012年の原付日本縦断の旅を振り返って4日目。

前3日間は正直グダグダだったけど、移動距離も含めてこのあたりから本格的に旅らしくなっていく。

 

 

ino-null.hatenablog.com

 

先に書いてしまうけど、この日の移動距離はたしか170kmオーバー。

原付に乗り始めて一ヶ月経っていない人間にはなかなか過酷な距離。

 

 

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テントの中で起床。二度目のテント泊だけど、問題なく寝れた。

銀マットだけとはいえ、地面が芝生だったのもよかったのかもしれない。

 

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テント隣のハーレーおじさんと少し挨拶をする。

どうやら毎年ツーリングに来ているらしい。この時から3年経ったが、このおじさんはまだ夏にツーリングを続けているんだろうか。

 

荷物を詰め込んで東を目指す。

この日の目標は帯広より先に行くこと。少しペースを上げなければいけないので、早めに発つことにする。

 

どうやらこの日はひたすら寒かったらしい。

メモにも「ウインドブレーカーが欲しい」と書いてある。

 

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ホクレンフラッグを手に入れろ

 

ここで本日の給油を行った。

本州の人は馴染みがないだろうが、北海道にいる間はほとんどこの「ホクレン」というガソリンスタンドにお世話になることになる。

 

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別にホクレンしかないというわけではないのだけれど、どうしてもホクレンに寄りたい理由がこちら。

 

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ホクレンフラッグ」だ。 ※写真は帯広で撮影したもの。

baikuto.doorblog.jp

これはホクレンのライダー向けキャンペーンフラッグ。ホクレンで給油した時に100円で購入できる。ライダー向けということもあり、車では購入できないらしい。北海道を4つの地域に分けて、それぞれの地域でしか買えないデザインになっているため、全部で4種類のフラッグがある。

 

毎年デザインが異なり、長距離走るライダー達は、自分が北海道を走破した証として、走った地域のホクレンフラッグをはためかせながら走っていく。

(朝のハーレーおじさんも一つ持ってた)

 

ここでは "黄色のキタキツネ"をゲット。せっかくだから旅中にこれをはためかせながら日本中を走ってやることにした。

 

このフラッグ、意外と有名で、本州ではもちろん、沖縄でもライダーに「2012年のやつ?行ったの?いいなぁ」「案外盗まれるからちゃんと固定しときな」などなど、注目を集めた。

 

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さすがに北海道らしい風景も増えていく。馬だ。

 

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馬と同じくらいチャリダー(ライダーに対比させたチャリに乗る人の呼び方)さんも見る。

原付で追い越せる数少ない相手だった。

 

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だるま屋ウイリー事件を思い出す

 

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なんでもないこの写真。当時ニコニコにアップした動画でも触れていたが、水曜どうでしょう「だるま屋ウイリー事件」を思い出す。

 

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だからと言って何もないのだけど、旅をしながら風景に意識が行き始めるのは我ながらいい傾向だと思った。旅に没入し始めた感じだ。

 

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飲み水には使えないかもしれないが、何かと水は使う。洗いたいものや冷やしたいものだってあった。とりあえずペットボトルに2L以上は常に持ち歩くことにしていた。

 

 

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寒いのは相変わらずだったが、標高も上がるにつれて少し晴れてきた。

このあたりはさすが北海道。なんてことない道もただゆっくり走るだけで自由な旅の雰囲気が出る。

 

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車の姿も人の姿もない広い道をただゆっくり走るっていた。それだけでも高揚感が不思議と湧いてきた。

この時にはすでに初日に思ったように戻りたいなんてもう思っていなかった。

 

それよりも、「次は何が見えるんだろう」の方が自分の心をぐっと掴んでいた。

 

初の峠越え

 

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「クマだー!」とだけ思った。

前にも書いたが、事前知識はゼロなので、クマの隣に書いてある「日勝峠」の文字が目に入らない。入ってもどんなものなのかわかっていなかった。

 

日勝峠 - Wikipedia

国道274号の途中にあり、道央と道東を結ぶ要衝。天候がよければ、清水側にある展望台や頂上付近から十勝平野の展望を望むことができるが、夏季は濃霧による視界不良、冬季間は路面凍結、吹雪による視界不良と、一年を通して悪条件となる場合が多く、重大事故の発生も多い。 1,000m級の標高とはいえ森林限界に達し、気象条件としては長野・群馬県境の渋峠(標高2,172m)クラスに匹敵するうえに、多くの大型車が昼夜を問わず通行する産業道路であるため圧雪アイスバーンが形成されやすく、路面状況も含めると世界的にもトップクラスの厳しい峠となっている。1日の通行台数は、およそ8,000台。

急曲線や急勾配が連続する線形な がら車両の平均速度が高く、夏冬問わず80km/h以上の高速で流れていることが多い。そのため、運転に慣れない初心者や北海道外からのドライバーは恐怖 感を抱くことすらある。また、登坂車線が整備された清水側と対照的に、日高側は通常の片側一車線のまま深い樹海の中で高度を上げ続けていく線形のため、速 度の低い車両を後続車が追い抜けない状況が延々と続くこともある。

 

ここで注目したいのはこの一文。

運転に慣れない初心者や北海道外からのドライバーは恐怖感を抱くことすらある。

 

僕は「初心者」「北海道外」「知識ゼロ」「50cc」、満貫だった。当然そんなこと知る由もなくて、なんだったらちょっと坂登るのか〜はじめてだなぁ、くらいだった。

 

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視界はよかった。それはとにかくありがたかったんだが、スピードが出ない。

相棒は50cc。25kmギリギリってところだったと記憶している。大型トラックがその横を80kmくらいで飛ばすので正直気が気じゃなかった。

 

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9号目を超えたあたりで、霧が出てきた。唯一の救いだった視界の良さすら奪われた。

 

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霧が出てからはひたすら怖かった。あと寒い。ウインドブレーカーなど風から身を守るものをまったく装備していなかったので、走れば走るほど体温が奪われた。

 

途中にはトンネルがあったり、急カーブがあったりと、アトラクションのような道になっていく。

恐怖と一緒にテンションも上がっていったので、誰も聞いてないことを確認してから「ひゃっふー!!!」みたいなことを叫んでいた気がする。

 

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そしていよいよ。

 

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頂上に到着。僕の勝手な達成感とは裏腹にびっくりするくらい別に何も用意されていない。すこしの駐車スペースくらいだ。

 

とりあえず、「やったー」とマシオカ的な写真を撮っておいていそいそと峠を下る。

当時の僕はひたすら寒かったらしい。

 

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謎のトリケラ。旅の最中は「なんだこれ?」ってものにシャッターを切っていたので、3年経つと余計「なんだこれ?」が増す。

 

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帯広到着

 

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なんやかんやあって、ヘトヘトになりながら帯広に到着した。

とにかく寒い。とにかくお腹が空いていた。

 

 

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旅に出てから知ったもので、北海道で食べたいと思っていたものがあった。

豚丼」だ。

「牛丼」的なお肉の煮込みではなく、炭火で焼いて甘辛のタレをかけた豚肉。その香ばしいお肉を乗せた丼ぶり。特に有名店とかでなくていいので、豚丼を一口たべてみたかった。

 

その思いから、帯広についてまず入ったお店が「豚丼」という看板を掲げている定食屋さん。迷わず豚丼を注文し、口に掻き入れる。

これは本当に美味しかった。その前まで寒さでガタガタ震えながら神経すり減らして峠道と戦ってたのもあって、お肉の暖かさ、香ばしさがじんわりと優しく感じられた。

 

そこまで高級なものじゃないというのもよかった。なんでもない定食の丼ぶり料理だからこそ落ち着いた気持ちになれたのかもしれない。

 

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帯広では長袖ナイロンパーカーと新しいゴリラポッドを購入。(さすがに旅先で三脚なしは記念写真が撮れなかった)

 

街でまったりしても、そこに居着いてはいられない。

北海道にそこまで日数をかけられるわけでもないので、さくさくと先を急がなければとまた原付にまたがる。

 

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そろそろ日も落ちてきた頃に「池田町」というところに到着。

 

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これ以上先に進むのも厳しくなってきたし、携帯/PC/デジカメの電源が厳しくなってきたので、この辺りでどこかに宿泊して充電しておきたい。

 

北海道には「ゲストハウス」よりもっと簡易な「ライダーハウス」があるとは聞いていた。せっかくなので北海道にいる間はできるだけ簡易なところに宿泊して費用を抑えたい。

 

ちょっと調べてみると、池田町には「一福」というライダーハウスがあるということがわかった。先人たちはそこでワイワイやったりということらしいので、この日はそこの宿泊に決定した。

 

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 少し面喰らうが、↓が「一福」。

 

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www.hatinosu.net

 

少し前はいろんなライダーが集まってわいわいやっていたらしいが、僕が行った時にはまだやっているのかも若干怪しかった。(もうやってないけど仕方なく泊めてくれたのかもしれない)。いずれにせよ一泊「300円」なので文句は全くない。

 

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なんでも自由に使っていいとのこと。ありがたく電源を頂いて、これでもかとくつろぐ。そう、僕タフだったんで笑

 

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コンビニで簡単に夕飯を済ませて動画の更新も完了させた。この日コンビニに行ってみたのは、「北海道のコンビニってなんか違うのかな?」っておもったからだった。

「ザンギ」があるのね。要は唐揚げだと思ったけど。

 

この日はとにかく疲れたのでこれで一日をお終いにしたいところ。。。

しかし、一つだけ心残りがあった。。。

 

「昨日みたいに温泉入りたい」

 

一度味をしめてしまうと、欲望は尽きなかったのです。毎日絶対「温泉」というワードは検索していたのです。

どうやら池田には温泉もある模様。原付でさくっと向かいました。

 

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www.kankou-ikeda.com

 

温泉では地元のおじいちゃんとものすごい喋った。正味1時間半くらい。ちょっとのぼせた。

わかったのは地元の人は池田が大好きだということ。昔はもう少し観光が盛り上がっていて楽しかった。少しずつ人が少なくなっていくのは寂しいということ。

 

確かに池田という町はお世辞にも大きい・栄えた町ではなかった(今はどうか知らないけど)。駅周りに色々お店があるかなぁくらい。

やはり自分のルーツの土地が少しずつ寂れていくのは寂しいことなんだろうか。

 

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宿に戻って横になる。少しだけ、考える。

 

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色々考えたのだと思う。

でもそのときのノートには「もっと色々な人の話を聞きたい」とだけ書いてあった。

 

この時点では知らないことが多すぎたんだきっと。

 

 

 

【次回予告】ひたすら東へ。釧路湿原というスケールの大きな自然に圧倒される。

 

[以下、テンプレ]--------------------------------------------------

 

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